臨床医ライフハックラボでは記事の一部にプロモーションを含みます。
この記事の目次
部分排泄率 FE ; fractional excretion
部分排泄率とは、ある電解質xの腎臓での排泄率を算出したもので、糸球体でろ過された分のどれくらいが尿中に排泄されるのかを表している。
蓄尿しなくても、スポット尿で算出することができるため簡便に算出することができる。
ある血清xの値の推移と部分排泄率の推移を組み合わせることで、腎臓からの排泄状況、ひいては腎臓の機能を評価することが可能であるため、電解質異常や腎不全の病態評価などの日常臨床で用いられている。
部分排泄率の求め方
FEx = (Ux/Px)/(UCre/PCre)✕100 (%)
部分排泄率で病態を解析する
血清xの変化 | 部分排泄率の変化 | 考えられる病態 |
上昇 | 上昇 | 摂取過剰 |
低下 | 腎臓からの排泄低下 | |
低下 | 上昇 | 腎臓からの排泄亢進 |
低下 | 摂取不足 |
代表的な電解質や物質の1日排泄量と部分排泄率
排泄量 | 排泄率 % | |
Na | 100-200mEq/day | 1-2 |
K | 40-80mEq/day | 10-20 |
UN | 5-10g/day | 40-60 |
UA | 200-500mg/day | 7-14 |
Ca | 100-200mg/day | 2-4 |
Mg | 100-150mg/day | 2-3 |
P | 300-600mg/day | 10-20 |
参考文献および図書
・日本内科学会雑誌 第95巻 第5号
・柴垣有吾 著 より理解を深める!体液電解質異常と輸液
・黒川清 著 水・電解質と酸塩基平衡 step by stepで考える 改訂第二版