この記事の目次
酸塩基平衡 acid-bese disturbances
酸血症 acidemia と アルカリ血症 alkalemia
pH<7.36 であれば 酸血症acidemia
pH>7.44 であれば アルカリ血症alkalemia
アシドーシスacidosis と アルカローシスalkalosis
アシドーシス acidosis は[H+]が増加する病態
アルカローシス alkalosis は[H+]が減少する病態
酸塩基平衡の異常
一次性 酸塩基平衡異常は
代謝性アルカローシスか代謝性アシドーシス
呼吸性アルカローシスか呼吸性アシドーシス
代償機序
酸塩基平衡の異常は呼吸性機序や腎性機序で代償する
呼吸性:換気回数の調整によりPaCO2が変化し代謝性 酸塩基平衡異常(一次性)を代償する
腎性:腎臓からのH+/HCO3−の保持や排泄を行って呼吸性 酸塩基平衡異常(一次性)を代償する
上記代償ではpHは正常範囲内までは代償できないため、
pHが正常範囲内であれば、混合性の酸塩基平衡異常を考慮する
呼吸性代償 | 腎性代償 | |
機序 | 低換気、過換気によりPaCO2が変化 | H+/HCO3–の保持や排泄 |
所要時間 | 数分以内 | 数時間から数日 |
重度の酸塩基平衡異常時に生じる身体的変化
重度の酸血症 severe acidemia pH<7.20
心血管系の収縮性低下、細動脈の拡張をきたし、平均動脈圧および心拍出低下
循環作動薬への反応低下
不整脈の危険性増加
呼吸筋力低下および過換気
血清K値上昇
意識障害
重度のアルカリ血症 severe alkalemia pH>7.60
細動脈の収縮、冠血流低下
不整脈の危険性増加
低換気
血清K値、Ca値、Mg値、PO4低下
意識障害、痙攣
動脈血ガス分析
STEP
一次性酸塩基平衡異常をpH,PaCO2,HCO3-より判定する
STEP
代償機序が想定の範囲内か評価し、酸塩基平衡が複数存在するのか否か判定
静脈血のときには
静脈血を使用して分析する場合には、pHは0.04低下、PaCO2は8mmHg上昇、HCO3-は2mEq上昇する
酸塩基平衡ノモグラム
参考文献および図書
黒川清 著 水・電解質と酸塩基平衡 step by stepで考える 改訂第二版
柴垣有吾 著 より理解を深める!体液電解質異常と輸液